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地域のつながりを紡ぎ続ける被災者支援活動  NPO法人SKY協働センターの取り組み

2024.06.10 掲載

 平成30年7月豪雨災害から丸6年になります。今もなお、被災者は生活環境の変化による不安や住み慣れた自宅を離れた喪失感など、様々な思いを抱えながら暮らされています。被災者や地域住民が豊かなつながりを保ちながら、安心して暮らせる地域づくりのために、様々な関係者による息の長い支援が求められます。
 今回は、平成30年7月豪雨災害をきっかけに、被災者のケアや地域のつながりづくりに取り組むNPO法人SKY協働センター(以下、SKY)の活動をもとに、多様な関係者とともに被災者と住民が支えあい、つながり続ける支援活動の大切さをお伝えします。

被災者を支える活動を通じて感じた地域のつながりの大切さ

 SKYは、平成30年7月豪雨災害で被災した坂町において、被災者を中心に住民の困り事を受け止め、様々な主体とつながり、解決に取り組むことを目的に、令和2年11月に住民有志で立ちあげられました。
 坂町で自身も被災したSKYの大迫代表は、地元の住民福祉協議会で住まいの復旧を支援するボランティアの受け入れや活動の調整、仮設住宅の交流活動など、発災直後から継続的に被災者を支える活動を続けてきました。思いを話せる場への参加や、友人とのふれあいにより被災者が元気づけられている様子を見て、抱えている不安や変化にいち早く気づき、安心した暮らしを支えるためには、日常から地域のつながりを紡いでおくことが必要と感じたことが活動の原点になっています。

SKY協働センターの主な活動

サロン交流会

被災者が暮らす公営住宅での交流サロン(毎月)、季節のイベント

地域の居場所づくり

子どもの居場所づくり(毎週)、多世代交流促進・夏休みの子どもの居場所、こども祭り

地域交流の促進

バザー

被災者支援活動

各被災地での復旧・復興活動

防災活動

防災講座(保育園・小学校)、防災教育・講座への協力

 

被災者にとって必要な“途切れない支援活動”

 「入居して1年経ってもやっと顔が分かるくらいで、他の入居者がどんな生活をしているかまではわからない」「ドアを閉めたら何も聞こえない。ひとりだな。寂しい。涙がでてくる」「早くみんなで集まりたい。せめて百歳体操くらいあれば…」。令和3年当初、被災により住まいを失った被災者が暮らす公営住宅ではこのような不安の声が挙がっていました。また、それまで被災者の見守り・相談支援や住民同士の交流機会の支援などに取り組んできた坂町地域支え合いセンターが令和4年3月に閉所することで、地域の住民による支え合い活動の必要性が高まっていました。
 そこで、令和4年4月からスカイ主催で、元地域支え合いセンター相談員の協力を得て、2か所の公営住宅でサロン交流会を始めました。お茶会やゲーム、健康づくり、花の寄せ植えなど、楽しくおしゃべりしながら気軽に参加できる雰囲気で話に花が咲きます。交流会に参加していない住民には、手作りのおはぎなどを持って各戸を訪問するなど、きめ細やかに関係づくりをすすめてきました。
 公営住宅の自治会長からは「交流会があることで挨拶だけの関係から、『花の寄せ植えはよかったね。次が楽しみじゃね』と打ち解けた会話が交わせるようになった。ドアを閉めても分かりあえている気持ちになることができ嬉しい」という声が挙がるなど、被災者や住民のつながりが広がるきっかけになっています。
 SKYの大迫代表は「住み慣れた地域を離れての暮らしや、人とのつながり・生活環境の変化もあり、ふとした時に孤立感を抱え込んだり、病気で体調を崩したりするなど、被災から6年経った今でも被災者の心配事は尽きません。サロン交流会で日ごろから顔を合わせて、愚痴も含めて本音で話せるつながりが広がってきた意義は大きい」と言います。

花の寄せ植え活動をきっかけに会話も弾む

被災者と大学生の交流も生まれたサロン交流会

地域における被災者・住民同士の豊かなつながりづくりをめざして

 SKYの立ちあげから3年半が経過する中で、取り組みに共感し、地域住民や他のボランティア団体、大学生など、何らかの力になりたいという協力者の輪が広がっています。また活動を通じて「子どもの遊ぶ場所がない」「勉強をする場がない」など被災の有無に寄らない新たな課題に気づき、子どもの居場所や多世代交流の場などの新たなつながりづくりの取り組みが生まれています。
 大迫代表は「自分たちは支えてくれる仲間がいるから活動できている。被災者や地域住民の生活課題に気づき、受けとめられる地域づくりができるよう、関係者の豊かなネットワークを広げていきたい」と今後の抱負を語ります。
 被災者や生活課題を抱える住民がともに安心して暮らせる地域づくりには、つながりを途切れさせない支援の視点が重要です。地域における被災者・住民同士の豊かなつながりづくりをめざして、SKYの被災者支援の取り組みは続きます。

子どもの居場所や多世代のつながりづくりも展開

お問合せ先

地域福祉課 広島県ボランティアセンター

所在地:〒732-0816 広島市南区比治山本町12-2 県社会福祉会館1階
電話:082-254-3506
ファクス:082-256-2228
受付時間:平日8時30分~17時30分
 ※土日祝日・年末年始(12月29日~1月3日)は、お問合せフォームで受け付けます。
 (返信には数日程度かかります)

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電話:082-254-3411(代表)
平日 8時30分~17時30分
(土日・祝日・年末年始は休業)

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