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自分たちの地域のありたい姿を考える <三原市木原地域における地域福祉とまちづくりの一体的推進>

2023.09.08 掲載

 地域生活課題が多様化・複雑化する中で、地域の課題を受けとめ解決していくためには、世代や分野を越えた住民や関係者がつながりを深め、幅広い視点をもち、話し合いや活動をすすめていくことが求められています。

 今回は、地域住民、関係団体、市、市社協、社会福祉専門職等の多様な主体が地域福祉懇談会や地域ビジョン策定等の場で分野を越えて話し合い、福祉及びまちづくりの課題に一体的に取り組む三原市木原地域の取り組みを紹介します。

1.日常的な支え合いづくりに向けた地域福祉懇談会の実施

 木原地域は平成30年7月豪雨災害で43世帯が被災し、1人が亡くなられるなど大きな災害を経験しました。そのことを契機に、平常時も災害時も支え合える地域づくりをめざし、三原市社協の呼びかけで地域福祉懇談会を継続して開催してきました。

 地域福祉懇談会には町内会や民生委員児童委員、サロン活動者、社会福祉専門職、行政など多様な参加者が集い、地域課題や必要な取り組みについて話し合い、取り組みを具体化しています。令和3年度には、地域支え合いマップを作成し、それらの話し合いや活動を通じて、日常的な気にかけあいや災害時の避難行動に関する理解を深めてきました。

◆木原地域の地域福祉懇談会概要(年2回程度)

目的

・小地域福祉活動への理解
・住民や専門職等が協働して進める地域づくりの協議

参加者

約20人
・町内会、民生委員児童委員、サロン、老人クラブ、自主防災組織、三原市、地域包括、社協

内容

・災害に強い地域づくりの協議
・地域支え合いマップ、マイタイムラインづくり

 

 一方で「サロンに参加したくても場所が遠く参加しにくい」「高齢になり通院や買い物で困っている」「町内会に入っていない人や近所づきあいが希薄で様子がわからなくなってきた」などの福祉的な課題だけでなく、「地域活動が弱まってきた」「子どもや若者が減ってきてつながりがない」「空き家が増えてきて心配」など、まちづくりに関する生活課題や不安の声が出されました。

地域課題を話し合う地域福祉懇談会  (三原市木原地域)

 

2.地域福祉・まちづくりをともにすすめる地域ビジョンの策定・推進

 そこで木原連合町内会は、地域住民や関係団体が主体となり持続可能なまちづくりの方針を共有するため、事務局である市まちづくり担当課および三原市ボランティア・市民活動サポートセンター担当者、三原市社協地域担当者のサポートや、多様な関係団体の参画により令和4年度に「木原地域ビジョン」を策定しました。

 策定は、連合町内会意見交換会(ワークショップ)等により、まちづくり活動や町内行事等の状況、町の魅力や生活課題などを洗い出し、それらを踏まえ町の将来像や目標・推進体制が設定されました。基本計画では、「高齢者等が安心して暮らせるまちづくり」という福祉的な目標とともに、子どもや若者等の育成交流や地場産業の振興、地区外や住民同士の交流推進、地区行事の維持や防災・減災の推進など、生活者の目線でのまちづくりの課題を踏まえた取り組みが掲げられています。また、サロンや見守り活動等の福祉的な取り組み充実とともに、祭りや地場産業を含めたまちづくり資源を活かし、住民や関係者がつながり支え合う関係づくりをめざすこととされています。

図 木原地域ビジョンの実行体制

 

3.多様性を認め合える豊かな地域づくりをめざして

 その後、令和5年3月に木原地域ビジョンの具体化に向けて、これまでの地域福祉懇談会を生活支援体制整備事業の協議体に発展させ、市社協や市まちづくり担当課、市社会福祉担当課、地域包括支援センター等の継続的なサポートのもとで話し合いが進められています。

 三原市社協福祉活動専門員主事の石森さんは「福祉的な課題に取り組んでいくためには、まちづくりの課題と併せて、多くの関係者でともに考え話し合う過程が大切です。木原地域では話し合いを通じて住民の地域への愛着や福祉への関心も高まっていると感じます。一方で、さまざまな理由で地域とのつながりもなく生きづらさを抱えている人もいます。皆が参加できる居場所や活動について話し合い、多様性を認め合う中で、誰もが住みよいまちづくりを地域住民や関係者とともに考えていきたいです」と語ります。

 地域課題が多様化・複雑化する中で、分野、世代、立場の違いを越えて話し合い、気づきや共感をもとにした地域づくりが求められています。その中で、地域から孤立しがちな人が排除されることのないよう、多様性を認め合う視点をもつことが大切です。自分たちの地域のありたい姿を考え、“わたしの課題”を“わたしたちの課題”として、誰もが心豊かに暮らしていくことができるよう、地域福祉とまちづくりの実践をともにすすめていきましょう。

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