“「これから手帳」で自分らしく暮らし続けたい”を応援します~(社福)慈光会 広島市三和地域包括支援センターの取組~
2021.01.08 掲載
広島市佐伯区五日市町石内にある特別養護老人ホーム石内慈光園内に広島市三和地域包括支援センターはあります。高齢者に関する様々な相談対応をはじめ、介護予防や権利擁護の啓発、地域のネットワーク作り等の業務を通して、地域で安心して“自分らしく暮らし続ける”ための支援に日々、取り組まれています。今回は、本センターが取り組む「これから手帳」の活用について、ご紹介します。
「これから手帳」について
これから手帳は、高齢者が自分らしく暮らし続けることのサポートを目的に、平成29年度に専門職間の連携ツールとして、22の医療・介護の専門職等の団体「自立支援多職種ネットワーク推進会議」により開発された手帳です。その後、実際に手帳を活用した専門職等の意見をもとに改定され、「これから手帳」と「別冊ノート~わたしの想い~」にリニューアルされました。現在は、広島県地域包括・在宅介護支援センター協議会が中心となり、手帳の発行や活用マニュアル等の作成を行っており、地域の専門職や県内の老人クラブ等での活用が広がっています。
広島市三和地域包括支援センターにおける「これから手帳」を活用した取り組み 広島市三和地域包括支援センター センター長 黒木 勇治
本センターでは、地域のサロン等で元気な高齢者の方々を対象に「これから手帳」を活用した勉強会を実施しています。「これから手帳」には、自立を支える専門職が考案した“自分らしく暮らし続ける”ために重要な6つの質問とアドバイスが書いてあります。
【これから手帳に記載の6つの質問】
1.楽しみなこと
2.食べ物の好み
3.親しい人物
4.日々、身体を動かしていること
5.健康のために気を付けていること
6.これからしてみたいこと
勉強会では、地域包括センターの職員がこの一つ一つの質問の意味について説明を行い、参加者ご自身について振り返って頂く機会をもつとともに、「別冊ノート~わたしの想い~」に質問の回答を書いてもらい、大切に保管しておくことをお願いしています。
実際に、勉強会の参加者からは、「これからについて考える機会をもつことができてよかった」、「自分の望みを書き留めておくことができてよかった」、「書いたことを家族や周りの人に伝えたい」という感想を頂いています。本センターの広報誌で、この手帳について紹介した際にも「これから手帳をください」「これから手帳についての勉強会をうちのサロンで開いてほしい」等の反響を頂き“自分らしく暮らし続ける”ことに対する高齢者の方々の意識の高さを感じ、その想いに寄りそった支援に取り組んでいきたいと考えています。
例えば、もしも、病気や事故などで、ご本人がお話できなくなった場合等にも、これから手帳に書かれていることをもとに、ご本人の想いを大事にした支援につなげていくことができると思います。
その為にも、年を重ね、想いが変化された場合には、改めて想いを書き留めておいて頂くことと日常的に介護保険証やお薬手帳等と一緒に携帯していただくことをお勧めしています。
また、「これから手帳」は、近年、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取り組みの実施前に活用するツールとして広島県医師会からも期待されており、「これから手帳」を通して、これまでの自分について振り返り、“自分らしく暮らし続ける”ための想いを確認しています。
しかし、手帳の活用が今後さらに期待されている中で、三和圏域内でも「これから手帳」の存在をまだ知らない地域住民、専門職の方たちが多いのが現状です。
本センターは、引き続き、地域のサロン等で「これから手帳」を活用していくことと併せて、地域ネットワーク等を活用した「これから手帳」の広報活動、専門職への勉強会にも力を入れて取り組み、“自分らしく暮らし続ける”ことのできる地域づくりを担っていきたいです。
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これから手帳の表紙
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別冊ノート~わたしの想い~表紙
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勉強会では,手帳にある質問の意味について,考える機会をもちます。
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別冊ノートには,質問の回答を書き込むようになっています。
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これから手帳の説明をされる黒木センター長
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これから手帳の勉強会の様子
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