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法人の人材育成と外部研修の相乗効果 〜「協働するチームで取り組む課題解決研修」の取り組み〜

2020.11.10 掲載

 「協働するチームで取り組む課題解決研修」は開始から5年が経ちました。研修内容や研修名を見直しながら開催しています。
 今回は、平成28年度にチームリーダーコースを受講した、(社福)平成会 ホームヘルプサービスこだまの堀越 優一主任と、受講当時、管理者だった赤坂 秀則理事長にお話を伺いました。

法人の人材育成~赤坂理事長から~

 内部研修では、職員が講師になって行う新人職員、中堅職員、管理職など階層別の研修や、手挙げ方式の幹部候補研修、法人内の他の事業所を経験する事業所間研修などを実施しています。
 外部研修受講は、基本的には本人の希望に基づき研修委員会が調整します。ほぼ希望する研修を受講することができますが、より頑張ってもらいたい思いがある職員には、当該の研修を指定し勧めることもあります。
 また、半期に1度の人事考課の面談では、評価者全員の合意で評価を決定し、本人にフィードバックしています。評価を伝えると、その理由を聞く職員もいますが、いずれも根拠をきちんと説明して、不安や不満にならないようにしています。改善点は、このままの状態が続くとどのような状況になるかを率直に伝え、よい面も悪い面も本人に自覚してもらってプラスに働くようにしています。これらのことは人材定着や本人のモチベーションアップにつながるので大切にしています。

堀越主任へインタビュー

この研修を受講しようと思ったきっかけは

 ありがたいことに、この職場は先輩が直した方がよいところを、親身になって注意してくださる風土があります。
 私は、「自分の思いだけではなく、相手の話を最後まで聞いた方がいいよ」と言われ、変わりたいと思いこの研修を受講希望しました。

研修の効果はありましたか

 研修では、1日目と2日目の間に1か月の実践期間があることで、変わる段階を学ぶことができました。
 私は、ヘルパーとして勤務しています。事業所は女性が多く、男性とは違う視点があるので、どんな意見でも反対意見も全部出してほしいとお願いしています。出された意見はチームのメンバー全員で確認して、変えるべきところを決めるようにしています。
 その時に注意しているのは、前向きであるか、自分都合の意見ではないかどうか。そして一番大切なのは、利用者のためになるかどうか。ここだけは外せません。私たちは「利用者さんの力を信じて」を目標にし、心がけているので、そこから外れていないかを話し合います。
 今までは支援のあり方の話ばかりでしたが、最近では、経営に関することで収支のことや生活サービスの単価が知りたいなどの要望も出てきています。報告書は昨年度と同時期の利用者数などを比較し、変化した理由を説明するなど内容が変わりました。
 最初は意見を全部出してもらったら大変なことになるのではないかと思いました。とりあえず1年取り組んでみようと思ったことが、2年、3年と続いています。

(講師コメント)
 全員からもれなく意見が出ることでブレを発見することができて修正されます。でも聞かなければ、その修正のチャンスは巡ってきません。また、表面上反対に見えても、もう一歩踏み込んで動機を聞いてみると、一致していることもありますよね。そこが発見できると共有できるものが、見つかるかもしれませんね。

研修終了後(半年後、1年後)のアンケート

 研修終了後、半年ごとに2回のアンケートが届くのには驚きました。半年後、1年後のアンケートに向き合うことで、過日の研修内容を振り返り、今の継続的な実践につなげて考えることができました。

(講師コメント)
 研修効果(受講者の行動変容等)を確認するため、アンケートを実施しています。アンケート結果を踏まえ、必要に応じて研修内容を見直し、より充実した研修をめざしています。

赤坂理事長からのメッセージ

 1つの研修受講ですぐに成果があがることは難しいかもしれません。法人の取り組みや自分の目標からマイナス面をどう改善すればよいかを常に意識することによって、この研修を選び、さまざまな改善点を見出せたのだと感じます。
 堀越主任は以前は事業所の同僚や上席者の意見を十分聞けていないという評価がありましたが、今では「改善された」という評価になっています。

講師からのメッセージ

 堀越主任の2・3回目のアンケートには、研修での学びを継続的に実践されていることが記されており、お目にかかれるのを楽しみにしていました。チームメンバーとの対話を重視し、堀越主任が実践されていることが、第三者の目にも明らかであることを赤坂理事長から伺い感激しました。

広島国際大学 健康科学部 教授 岡本 晴美

 この研修では、予め自分の職場での課題を準備し、初日に「『ピンチをチャンスに変える』リフレーミング」について学びます。1か月後にリフレーミングに基づいて行った実践についての取り組みをグループで分かち合う中で、お互いの成長を確認し、次の課題への取り組みの決意表明を行います。研修終了後からが本番なのですが、堀越主任はまさにこの実践を継続され、成長し続けておられることを実感しました。

(社福)輝き奉仕会 特別養護老人ホーム輝き 主任相談員 西村 裕子

左から岡本講師、赤坂理事長、堀越主任、西村講師

 「協働するチームで取り組む課題解決研修」は、より受講者の実践に結びつくよう、各階層に応じた講義・演習を行います。研修の詳細は、広報紙福祉ひろしま vol102・103 合併号(2019.1)を参考にしてください。
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