教員として大切な視点・姿勢と豊かな人間性を育む~教員免許取得のための介護等体験受入調整事業の事例から~【2020/6/10掲載】
2020.06.10 掲載
教員免許取得のための「介護等体験」事業とは
「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」(平成10年4月施行)に基づき、小中学校の教員免許を取得する場合は、社会福祉施設(5日間)と特別支援学校(2日間)において合計7日間の介護等体験を行うことが義務付けられています。
本会社会福祉研修センターでは、社会福祉施設における介護等体験について、施設と大学等の調整を行い、小中学校の教員免許取得をめざす学生を応援しています。
介護等体験の目的
- 施設での体験を通じて、さまざまな人の生き方や生活のありように気づくとともに、人と関わり、人を支援するうえで大切にすべき視点や姿勢を学びます。
- 義務教育を担う人に求められる幅広い社会観・人生観が持てるよう、視野を広げ、人間的に成長できるきっかけを得ます。
介護等体験の事例紹介
体験者:愛子さん(仮名・大学3年生)
体験施設:デイサービスセンター
5日間の体験スケジュール
時間 |
1日目 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
8:00~ |
申し送り |
申し送り |
申し送り |
申し送り |
申し送り |
11:45~ |
昼食 |
昼食 |
昼食 |
昼食 |
昼食 |
12:45~ |
休憩 |
休憩 |
休憩 |
休憩 |
休憩 |
13:00~14:30 |
体操 |
体操 |
体操 |
体操 |
カラオケ教室 |
※1日の体験時間は5~6時間を目安としていますが、施設によって、体験時間・体験内容は異なります。
体験からの学び・気づき・反省等~体験日誌から~
私は、「教員になるのに、どうして福祉施設での体験が必要なのだろう」と思っていましたが、この5日間で、普段学校ではできない多くの経験をさせていただき、今はこの体験をしてよかったと心から思っています。
利用者の方が、私の名前を聞いて覚えようとメモをとってくださったことが、とてもうれしかったです。
入浴の手伝いや体操、各種活動等いろいろと体験しました。最初のうちは、職員の方から指示された時以外はどう動けばよいか分からず、何もできずに立ったままになってしまう時間が多かったです。職員の方にも迷惑をかけてしまい、申し訳なかったです。利用者の状況や職員の方の動きなど周りの状況に目を配りながら、自ら進んで行動していくことが大事だと学びました。
利用者の方々との交流を通して、人と関わること(コミュニケーション)の難しさや楽しさを体感できました。また、職員の方が利用者一人ひとりの状態を把握され、最大限に楽しんでもらえるよう、適切なサポートや声かけ等、配慮や工夫をされている姿から、教員にとっても大切な視点や姿勢等多くを学ぶことができました。よい教員になれるよう、これからもいろいろな経験を積み重ね、学びを深めていきたいと思います。
体験施設指導担当者からのコメント
初日から、自ら利用者の方と積極的に話をされ、目線を合わせて話をしていたことには感心しました。
この5日間の体験から、深い気づきが得られたようでよかったです。教員も、生徒と接するとき、きっと私たち福祉職と同じように、一人ひとりの性格や様子、また配慮すべき事情など、いろいろと気を配ると思います。
この体験をきっかけに、これからも視野を広げ、多くのことを吸収しながら、生徒とよりよい信頼関係を築ける素敵な教員になっていただくことを期待しています。
お問合せ先
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電話:082-254-3460
ファクス:082-256-2228
受付時間:平日8時30分~17時30分
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