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「ここに暮らす人の幸せ環境を整える」(社福)広島県リハビリテーション協会の人間福祉の実践

2019.09.10 掲載

 東広島市八本松町で障害者支援施設ときわ台ホームなどを運営している(社福)広島県リハビリテーション協会は、河内昌彦理事長が特に力を注がれている「人間福祉」の実践として、様々な取り組みを行っています。
 「福祉とは、人の幸せ、心豊かな人生を実現することが目的で、すべての根本は一人ひとりの『人』であり、人の幸せを追求するという意味で人間福祉と言えるのではないでしょうか」と河内理事長は話されます。
 社会福祉法人としての設立は1972年で、現在では高齢者施設も含め3つの入所施設の他、年齢や性別、障害の有無を問わず、すべての人を対象に27にも及ぶ各種事業を展開しています。

 今回は、これらの事業の中から「地域福祉支援センターときわ」と「多世代交流・支援センター」についてご紹介します。

「地域福祉支援センターときわ」

 「地域福祉支援センターときわ」は、障害のある人と地域の人が地域の中で自然に出会い、ふれあい、お互いを知りあう場として、法人単独で東広島市西条町に開設されています。河内理事長が、ときわ台ホームの施設長に就任(平成18年)後に開設されたもので、人間福祉実践の原点の場所と言えるでしょう。
 同センターは、地域の交流サロンとして無料で利用でき、これまでに100回を超える「ふれあいセミナー」を開催、その内容は多岐にわたります。地域の人から「魚の三枚おろしの仕方がわからない」と声が上がれば、寿司職人や鮮魚店の協力を得てプロによる三枚おろし講座を開催したり、ミュージシャンを交えてヘルマンハープの鑑賞会と体験を行ったり、福祉講演会を開催したりと、地域の声がメニューを決めていきます。また、自殺予防のための電話相談をはじめ、日常のちょっとした困りごとなどを相談できるよろず相談など、どこにでもあるような生活の課題や楽しみを持ち寄ることができる場所になっています。中でもとりわけ喜ばれているのが石窯によるピザづくりで、本格的な石窯で焼いたピザに多くの人が舌鼓を打っているそうです。同センターの大きな意義は、そこに集まる人たちが対等な立場でふれあう中で自然に障害理解や、相互理解が深まることにあります。

「多世代交流・支援センター」

 「多世代交流・支援センター」は、文字通り世代を超えてすべての人が交流する拠点です。子育て中の家族と一緒に赤ちゃんから90歳を超える人までが集まり、交流の輪が広がっています。
 制度に沿った福祉は、高齢者だけ、児童だけ、障害者だけなどの集まりになりがちで、そこには同世代ならではの共通の価値観や経験の共有や話題がありますが、世代を超えた人たちの集まりでは、それとは違う表情があると河内理事長は話されます。「例えば、小さい子どもさんが元気よくあいさつをすれば、『こんにちは、元気にしてた?』と高齢の人が笑顔で答える。その表情は高齢者だけが集まる場所では決して見られない、とても豊かな表情なんです」と河内理事長。子どもたちも自然におじいさん、おばあさんと馴染んで、いろいろな質問をなげかける。核家族化が進む現代社会だからこそ、必要な環境であると言えるでしょう。
 このセンターの取り組みは「広島型福祉」とも称され、全国から行政、民間を問わず視察に訪れるなど、大きな成果を上げています。

 河内理事長は、「様々な研究や実践から築かれる社会福祉はもちろん大事。しかしそれらは、ともすれば制度の狭間や、あるいは制度に馴染まないという理由から対象にならない人を生み出します。私たち社会福祉法人が取り組まなければならないことは、だれもが幸せになれる環境づくりであり、その意味で人間福祉の実践であると思います。」と力説されます。多世代交流・支援センターは、人間福祉を具体化するひとつのカタチなのかもしれません。
 続けて、「いま社会福祉法に明記されたことで、多くの法人が社会公益活動の取り組み方を模索しておられます。私は、社会公益活動とは、ここ(地域)に暮らす人がそれぞれの幸せを追及するための場の提供と支援だと考えています。そもそも社会福祉法人はそれを使命としており、分野ごとの得意とするところを持ちながら、その地域で暮らす人の支援を行うことで、おのずと社会公益活動になるのではないでしょうか。」と話されていました。

 (社福)広島県リハビリテーション協会は、主に障害者福祉を得意分野として施設などを運営しています。「地域福祉支援センターときわ」も「多世代交流・支援センター」も、地域の人の幸せづくりをサポートする取り組みですが、だからと言って障害者福祉とかけ離れて行われているものではありません。障害者も含めてみんなが集まり交流することで、障害者への理解を促進するとともに、障害者に対しては施設や居宅と言った限られた空間ではなく、「地域」という広い空間で生活することを進めていると言えるでしょう。

 同法人の今後の展開に期待するとともに、本会も協働できるところは積極的に協働していきたいと思いました。

 

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