先輩職員の声 File04 <地域福祉課主事/被災地支援業務>
被災地支援業務の内容
➢被災地の市町社協災害ボランティアセンター運営業務全般の支援
・被災者のニーズ把握(受付)や現地調査
・災害ボランティア活動者の受付、活動ニーズとボランティア活動者のマッチング
・資機材の貸し出し 等
本会では、県内外において、地震や大雨などによる災害が発生した場合、所属部署に関わらず、通常業務とは別に、被災地の支援(災害ボランティアセンターの運営支援等)に携わっています。
ここでは、令和6年1月に発生した能登半島地震における被災地支援活動に携わった職員を紹介します。
一人ひとりの多様性と向き合い、大切にする職員でありたい
所属・職名・取得資格
地域福祉課 主事
精神保健福祉士
配属歴
令和5年4月 | 入職(主事採用) |
令和5年4月~令和6年3月 | 生活支援課 (主な業務内容) ・低所得世帯等のための生活福祉資金貸付 等 |
令和6年4月~現在 | 現職 |
県社協に就職した理由・きっかけ
医療機関(前職)に勤務していたとき、精神科病棟でソーシャルワーカーとして働いていた同僚の影響を受け、障害福祉やワーカー業務に興味を持ちました。きちんと学びたいと思い、医療機関を退職して、福祉系の専門学校へ入学しました。
学校での講義や実習の中で、低所得・格差問題や生活困窮者への支援に関連する制度について学ぶ機会が多くありました。県外の社協で実習したとき、生活福祉資金貸付事業を担当されている社協職員さんに同行させていただきました。単に、相談者にお金を貸して返してもらうということではなく、貸付を通じて、借入に至った困りごとの背景にある世帯の生活課題の把握と、その解決に向けた相談支援を行うということが、社協の貸付であることを知りました。相談から返済完了までの間、社協だけでなく、民生委員や自立相談支援機関(困窮者支援窓口)など関係機関と連携しながら、継続的に世帯を支援され、住民支援の幅の広さを実感しました。この制度の実施主体が都道府県社協であったこと、また、さまざまな社会福祉関連の事業についても幅広く学んでみたいという想いもあり、県社協へ入職したいと思いました。
被災地(能登町社協)での支援活動内容
令和6年元日に発生した能登半島地震では、中国ブロック社協からの応援派遣職員として、2回にわたり、石川県の能登町社協災害ボランティアセンターの運営業務全般の支援活動に携わりました。
派遣期間は、1クール7日間(初日及び最終日は移動日のため、実働5日間)で、1回目の派遣では、ボランティアセンター本部の運営に、2回目の派遣では、サテライトの運営に携わりました。
主な担当業務は、ニーズ受付、活動情報のデータ(キントーン)入力、現地調査、マッチング、その他資機材の準備等。
最初に、被災者からの「壊れた家財の運び出してほしい」などの困りごとの相談の電話を受け付けます。ボランティアが活動に入る前に、まず、実際に現地の状況を確認し、必要なボランティアの人数や資機材などの見立て、活動日の調整を行います。当日は、ボランティアバスの到着後、オリエンテーションを行い、活動にあたっての留意点などを伝え、ボランティアと活動のマッチングを行います。活動内容を紹介し、資機材を貸し出し、現地に入っていただきます。ボランティアが活動を終えて戻ってきた後は、活動報告を確認します。
また、ニーズ受付から活動完了までの状況は、キントーンで情報管理を行っています。ボランティアを現場へ送り出した後や、活動を終えたボランティアバスを見送った後のスキマ時間を利用して、次のニーズの現地調査を行ったり、受付したニーズの聞き取り内容や、現地調査の結果、活動報告の内容をキントーン入力したり、翌日の活動に備え、軽トラの給油や資機材の準備等を行います。
能登町災害ボランティアセンター本部でのある1日の流れ
時間 | 主な業務内容 |
---|---|
8:00 | 本部到着、開所準備 |
8:20 | 朝礼 |
8:30 | 町内・団体ボランティア受付、マッチング準備 |
8:45 | 県ボランティアバス到着、受付 オリエンテーション(災害ボランティア活動にあたっての注意事項等伝達) ボランティアの送り出し(時には、活動場所まで送迎) |
9:00 | 被災者からのニーズ受付対応、ボランティアセンター内整備 |
10:00 | ニーズ受付した被災者宅の現地調査 |
12:00 | 午前の活動を終えたボランティアの休憩時対応、完了案件活動報告の入力 午後の活動マッチング調整、ボランティアの送り出し |
13:30 | 現地調査 |
15:30 | 活動報告対応、県ボランティアバスの見送り ニーズ受付対応、キントーン入力 翌日分の資機材準備、軽トラックの給油 |
17:00 | 全体終礼、業務終了 |
17:45 | 宿舎着 |
災害ボランティアセンターの雰囲気は?
私自身、被災地の災害ボランティアセンターの運営支援に携わるのは、初めてでしたし、他県の社協職員と一緒に仕事をしたのも初めてでした。不安と緊張もありましたが、メンバーに恵まれ、とても話しやすい雰囲気の中、動きやすかったです。
また、ボランティアの皆さんの活気をかなり感じました。県外から参加されている人も多く、私たち運営スタッフも、良い刺激を受けました。また、センター内には、たくさんの寄せ書きや、応援メッセージが掲示され、復興に向けた強い思いや、人の温かさを感じることができました。
被災地(能登町)での支援活動でうれしかったこと
私は、1回目の応援派遣で出会ったボランティアのAさんと、2回目でも再会できたことがうれしかったです。Aさんは、ベテランのボランティアで、1回目の応援派遣の時に、ぎこちなく動いていた私に、いろいろと丁寧に教えてくださりました。活動に入る前のケースの紹介をする際、情報量が多すぎて説明に時間を要して出発時間が遅れそうになったことがあったのですが、その場にいたAさんが要約して説明してくださり、資機材の準備までの段取りなどのサポートをしてもらいました。活動終了後には、Aさんから、現場目線から見たボランティアに伝えるべきことなどを教わり、それ以降はスムーズに動けていたように思います。
2回目の応援派遣の際、Aさんから、「こないだとはまるで別人だな」と仰っていただいて、嬉しく思いました。
被災地(能登町)での支援活動を通して、今後の自身の業務に活かしたいこと
今回の応援派遣を通して、災害ボランティアセンター業務に携われたことは大きかったです。
災害ボランティアセンターには、他県の社協や関係団体などの応援スタッフやボランティアの人たちなど、皆さん、様々な想いを持って、被災地の支援に入られています。未経験の人もいれば、ベテランの人もいて、災害ボランティアセンターを通じて初めて出会い、ともに活動する中で、時には、意見の食い違いやトラブルに遭う場面もありましたが、「被災地のために支援したい」という思いは同じです。活動する中で、出てくる気づきやアイデアなどお互いの意見を尊重しながら活動できるような災害ボランティアセンターの運営が大事であると感じました。
私は、現在、地域福祉課で、「広島県被災者生活サポートボラネット推進事業」を担当しています。この事業は、災害時の迅速かつ効果的な被災者の生活支援を目的として、平常時から関係者間の連携協働のネットワークの強化をすすめることを目的としています。具体的には、ボラネット推進会議及び課題別部会(初動対応部会、IT支援強化部会等)を開催し、さまざまな関係機関の人が集まり、発災時の初動対応や、ICTを活用したセンター運営などの方策を協議・検討しています。こういった平時から協働のネットワークづくりを進め、いざ広島で発災した場合に、人的・物的・金銭的・情報の県域支援により、スムーズに連携して被災者支援にあたることができるよう、災害時に強い福祉支援体制づくりに引き続き取り組んでいきたいと思います。
終業後や休日の過ごし方
バスケが好きで、地元のチームなどに所属して、終業後や土日はバスケの練習をしたり、時には、試合に出たりして、リフレッシュしています。
アグレッシブな趣味だけでなく、映画鑑賞も好きで、よく映画館に行ったり、自宅で見たりしています。
志望される皆さんへメッセージ
県社協では、災害支援や生活支援、ボランティアの活動支援など、さまざまな事業に携わることができ、また、研修や会議等を通して、市町社協や関係団体等のさまざまな職種の人たちと情報交換する機会も多く、自身の知識を高めることができると思います。
また、県社協には、資格取得のための制度があり、スキルアップにつながる職場だと思います。
その他、休暇も取得しやすい職場です。休暇を利用して適度にリフレッシュしながら、一緒に仕事をしていきましょう!
お問合せ先
総務企画課
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ファクス:082-252-2133
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